銀の宝剣 本文より抜粋

 の外で合流した二人はそのまま剣が普段祭られている神殿へと足を向けた。

 今は祭りの最中だ。普通に行って剣にまつわるものを見せてくれと頼んでも門前払いをくらうのがオチだろうと

思っていたのだが、あらかじめ火影を通じて蘭が連絡をしてくれていたようで神官はとても好意的に二人を奥の間へ

案内してくれた。

「すみません。お忙しい時に」

「いえいえ。お構いはできませんが、どうぞご自由にご覧になって下さい」

 そう言って神官は書物が納められている部屋に二人を案内し、いくつかの棚を指差して説明した。

「この引き出しには巻物が入っています。ここにあるのは伝記や手記など神に纏わるものや里の歴史のみでたいした

ものはございませんが我々にとっては大切なものです。丁重に扱って下さいませ」

 神官はそれだけ言って、仕事に戻って行った。

ナルトは先ほど神官が開いた引き出しに目を向けた。先ほどチラリと見ただけだが、見覚えのあるものが混じって

いた気がした。

 引き出しを開くとやはり間違いないと思う。

「知っているのか?」

 藍色の紐で結ばれた巻物を引き出しから取り出したナルトにサスケは声を掛けた。

「多分」

 ナルトは呟いて巻物の封を解く。

 この紙質、軸の感じと良い間違いない。

「やっぱり」

「やっぱり?」

「ああ。これと同じだ」

 そう言ってナルトが取り出したのは朱色と黄色の紐の色の異なる二つの巻物だった。

「こっちが暁。んで、こっちが明王のものだってばよ」

 巻物はどちらも「明王」を持っていた神主が保管していたものだった。二つの巻物は紐の色が異なるだけで内容は

全く同じだという。

『王妖神記』と題の記された巻物。

「これがあるってことは間違いないってばよ。五つの神具の一つ、銀の宝剣」

 既に分っていたことだが、これで確かなものになった。

「で、こっちは花笠真白が遺した手記と里の歴史か」

 神官が示してくれた書物の山から上に置いてある一冊を手に取った。

「片っ端から見るしかないな」

 そう呟くとナルトが露骨に嫌な顔をした。

「祭りなのに?俺、腹へったってばよ」

 ここに来る途中、何度もナルトは露店の美味しそうな匂いに挫けそうになった。しかし寄り道しようとするとサスケ

の首根っこを掴まれ強引に引っ張られて来たのだ。

「せめてイカ焼き……」

「全部、読み終わったら奢ってやる」

「全部って……何冊あるのか、分ってんのかよ」

 ずらりと棚に並んだ書物をナルトはうんざりと見つめた。

「確かにな。とりあえず時間もねえ。要所を押さえて読んでいくぞ」

 必要なのは宝剣に関することと、この里が創立される前にあの山であった戦争の歴史。

 一番の手がかりは花笠真白の手記だろう。

「俺はこっちから探す。お前はこっちだ」

「分ったってばよ」 

 ナルトは素直に頷いて、壁一面を覆い隠している棚の右側に置いてある書物から探し始めた。


 

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