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CHANGE
04.
「で、どうするってばよ」
ニコニコ笑顔でそう言う図体のデカイ男にサスケは眉間に皴を寄せた。
こいつ…本当に今の状況が分かっているのか?
過去に来てしまい、しかも帰れないんだぞ!
時が経って図体が大きくなってもバカはバカだとサスケは思った。
「なあ〜」
「知らん」
そもそもこれは全て自来也のせいなのだ。自分の知ったことではない。
サスケはナルトに背を向けてスタスタと歩きだした。
「お、おいっ!サスケ!そりゃ、ないってばよ」
ナルトが情けない声を上げる。
その声にサスケはハアと大きく息をついて、足を止め振り返った。
「俺、ここじゃあお前だけが頼りなんだぞ!」
でかい図体で情けない顔のナルトが自分を見ている。
「知るか」
短くそう言うとますます情けない顔をした。
「俺がどうなっても良いのかよ?」
「二日もすりゃ未来に帰れるんだろ」
「じゃあ、それまではどうすんだよ」
それこそ知ったことじゃない、とサスケは思ったが、ナルトが背を丸め、上目遣いに自分を見る眼差しに……弱かった。
こういうところも変わってない。
本当にでかくなっただけじゃないか、と思う。
ナルトの隣では自来也がニヤニヤとした顔で二人のやり取りを眺めていた。
「サスケ、もっと優しくしてやれ」
自来也にそういわれ、眉間の筋が切れそうになる。
そもそも誰のせいでこうなったと思っているのか。
サスケはグッと拳を握り締めた。
「サスケ〜」
ナルトが手を上げて嬉しそうに駆け寄ってくる。
「ま、短い間だけどよろしくな」
そう言うと、右手を差し出した。
全く、面白くないと思いながら…とりあえずサスケは未来のナルトを自分の部屋に連れ帰った。
「サスケの部屋だ〜懐かしいってばよ」
お、写真、とナルトは三人で撮った写真を懐かしそうに眺める。それから嬉しそうに部屋を見回して、チョンとちゃぶ台の前に座った。
「サスケ、俺腹へったってばよ」
グウグウとナルトの腹が盛大な音を立てている。
まったくコイツは…と思いつつ、自分も空いていないわけではなかったので、渋々とサスケは冷蔵庫に向かった。
しかし買い物前だったせいで中には何もなかった。
「じゃあさ、一楽のラーメン食いに行こうぜ」
ナルトがキラキラと眼差しで言った。
「過去のイルカ先生にも会えるかな〜」
そう嬉しそうにそう呟くナルトに妙に胸がムカムカした。とはいえ、何もないのも事実で……。
ウキウキと部屋を出るナルトと共に一楽へと向かった。
「で、お前。今どうなんだ」
向かう途中、サスケは疑問に思っていたことを尋ねた。
中忍以上が着るベストを着用しているということはそれ以上なのだろう。
十年後ということは上忍になっているのか?でもそれにしてはカカシ以上に頼りない気がする。
「んー、何で?」
「べ、別に。ちょっと気になっただけだ」
サスケがそう答えると、いきなり後ろからガッと体を引き寄せられた。
「何をっ」
ナルトの胸にすっぽりと収まってしまい、サスケは顔を赤らめる。
「えへへ。サスケちっちゃい」
「何だと!」
ピキンとサスケは額に筋を浮かべる。
「未来のサスケは俺よりちょっと背ぇ低いけど、こんなに差はないもんな〜当たり前だけど」
ナルトはそう言ってサスケの髪に顔を埋めた。
「何か嬉しいってばよ」
「何がだよ」
何だか妙に恥ずかしくなり、サスケはナルトの腕を振り払おうともがいた。しかし、強い力でしっかりと体を抱き締められているので身動きすらままならない。
「俺ってば今、上忍。だからそう簡単には振りほどけないってばよ」
上忍。なるほど体だけではなく、技能も上がったようだ、とサスケは思う。だけどその表情は変わらない。ナルトはいたずらっ子のような笑みを浮かべてペロっと舌を出した。
「お、俺は…どうなんだ……」
ナルトが上忍になって自分がなっていないということは考えられなかったが、一応尋ねる。
「もちろん、上忍だってばよ。だって俺のライバルだもんな」
恋人でライバル。それは十年経っても変わらないと聞かされ、サスケはナルトの腕の中で顔を赤く染めた。
そんなサスケの耳元に唇を寄せて、ナルトが「でも、ちなみ俺ってば…」と囁いた瞬間
「ナルト?」
―――――――――声を遮るように後ろから声が掛けられる。
「…じゃ…ないよな。あれ、そこにいるのはサスケか?」
振り返ればそこには困惑した眼差で二人を見つめる元担任の姿があった。
とりあえず立ち話をするもの何なので、三人は一楽の暖簾を潜った。
事情を説明すると、イルカは素っ頓狂な声を上げ、次に瞳を潤ませた。
「イ、 イルカ先生!ど、どうしたってばよ」
ナルトがオロオロとサスケを見る。
「いや…お前がこんなに立派になるなんてな」
「いやあ。それほどでも」
褒められてナルトは嬉しそうに頭に手をやる。
「そうか、中忍になったのか」
「うんにゃ。上忍」
「え?」
「俺ってばもう上忍、しかも……」とナルトが言い掛けた時、良く見知った顔がズラズラと暖簾を潜ってくる。
「やだー、本当に大きくなってる」と言ったのはサクラだ。
「自来也様にも困ったもんだね」とカカシ。
「へえ。こういう感じなんだ」とサイ。
「…ってこの状況、どうするつもりなんですかね」とヤマト。
上から下までナルトの姿を確認して、ハアっとサイを除く三人はため息を漏らした。
「中忍試験を受ける前に中忍のナルトが来ちゃうなんてね」
ヤマトの言葉を即座にナルトは否定する。
「いや、上忍」
「「「えええ!」」」
ナルトの言葉に四人は声を上げた。
「へえ。お前。十年後には上忍か〜」
カカシは感慨深くそう呟いて、それもありかな、と頭を掻いた。
「で、いつ未来に戻れるの?」
サクラが現実的な質問をする。
そんな四人の目の前にもラーメンが運ばれてきて、一先ず腹ごしらえが先だと話はそこで中断した。
「たぶん、明日の夜かな〜」
ラーメンを間食した後で、ナルトが先ほどのサクラの質問に答える。
「じゃあ、明日の任務は?」
チラリとサクラは上官の指示を仰ぐべくカカシに視線を向けた。
「ん〜まあ、支障はないんじゃない。むしろ助かるって感じ?」
カカシは飄々とそう言いうと、箸をラーメン鉢の上に綺麗に揃えて置いた。
「過去のナルトだったらちょい面倒だけど、まあ上忍のナルトってんなら面白いじゃないか」
ニコニコと笑う顔が明らかに楽しんでいる。
明日はCランク任務で、隣町で開かれる催し物の警護任務が入っている。
夕方には終るものなのだが……。
「おう。任せとけってばよ」
ナルトはカカシの言葉に嬉しそうに答えて、トンと胸を叩いた。
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