酒と泪と男と男

※Gジェネ NEO設定(?)ジャブロー降下あたり。まあ、そんな感じで(苦笑)適当に受け流して下さい。


 

「こっ、こらカミーユ!」

 男らしく制服を脱ぎ捨ててカミーユが着替え始める。

 黒いタートルネックを脱ぐと細身の体が露になった。

 空手をやっていたせいか、細身とはいえ筋肉のついたしなやかな肢体を惜しげもなく晒して、

カミーユはクワトロのかなり大きめの
Tシャツに袖を通した。

 その横でアムロも徐にボタンを外し始める。

「お、おい。アムロまで…」

「うりゅさい」

 呂律が回っていない。完全酔っ払いのアムロは潤んだ瞳でクワトロを睨みつけた。

「シャア、ボタン」

「は?」

「ファスナーが降りないぞ!」

 下ろせとばかり胸を張る。

「はあ……

 覚束無い手で力任せに引いたのでどうやら途中で横布を噛んでしまったようだ。

 何か、昔似たようなことがあったな……と思いつつ、シャアはアムロのファスナーを下ろしてやった。

 それからハッと気づいて顔を上げる。

 ファスナーを下ろしている場合ではないのだ。

「待ちたまえ、アムロ!」

 クワトロがアッと声を上げた瞬間、アムロは黒のダウンジャケットを脱ぎ去り、インナーも豪快に脱いで

しまう。

 白い肌がほんのり赤くなっておりかなり色っぽい。

 思わずアムロの裸体に見惚れていると、温かな手が頬を包み込んだ。

「大尉、いやらしい」

 そう言ってカミーユはクワトロの顔を自分の方に向ける。頬を膨らませると口をへの字に曲げてクワトロを

睨みつけた。

「いやらしいって、カミーユ……

 勝手に脱いでおいてあまりの言いようである。

 しかし、目の前のカミーユの格好にクワトロは言葉を失った。

 いつのまにかズボンまで脱いでいる。 

 確かにクワトロのTシャツはカミーユにはかなり大きいだろう。現にズボンを履いていなくても太腿の

中ほどまで隠れているが
……

「俺もズボン脱ご」

 絶句しているクワトロの横でアムロの暢気な声が聞こえてくる。

「アムロ、待て!」

 二人してこんな格好をされたら理性が持たない、と慌ててクワトロはアムロに向き直った。

 しかし時既に遅し……

 二人の小悪魔が赤い顔で笑っていた。

 

 

「よーし、飲むぞ!」

 アムロが拳を突き上げる。

「おー!」

 賛同するカミーユにクワトロはガクリと肩を落とした。

 再び飲み会に突入したのは良いが……クワトロのTシャツを着た二人は惜しげもなく白い太腿を晒している。

 真ん中にクワトロを座らせるとグラスに再び酒を注いだ。

 しかも大切に取っておいた一番高価なワインを……である。

「こら、それをそんな風に飲むな!」

 まるで居酒屋の中ハイを飲んでいるかのような勢いで二人がワインを飲み干していく。

「ワインというのはな、もっと味わって……

 非難の声を上げるが、綺麗に無視されて終った。

「大体、大尉はうるさいんですよ。あれはダメ、これはダメ」

「シャアがそんなにうるさいとは驚いたな。よっぽどカミーユが可愛いんだな」

「やめてくださいよ〜。なんか煩い親父って感じです。もう本当に煩いんですよ!こないだなんてちょっとジュ

ドーが俺に抱きついただけで目くじら立てちゃって」

「それは!私は君の事を考えてだな」

「大尉は黙ってて下さい!」

「そうだ!今はカミーユの話を聞いてるんだぞ」 

 弁解をしようをした途端、双方から睨まれる。

……今日は厄日か……

「シャアは俺にもうるさい!メカニックと話込んでたら不機嫌な顔で睨むしさ」

「僕達は子供じゃありません!」

 カミーユがうんうんと頷いてそう声を張り上げる。

 分かってくれるか、と手を取り合う二人の姿にクワトロの頬が引きつる。

(十分に子供だと思うが……

 言えば理不尽な怒りを買うに違いない。

 しかし、どうしたものか?

 このままでは埒が明かない。

 いっそ、これは据え膳と決め付けて二人に手を出すべきだろうか?

 二人は非常に脱がし易い格好をしている。

 これは誘っているのか?

 いや、誘っていると思わなければやってられない。

 先ほどから何度、理性を奮い立たせいるか少しは理解して欲しいものだ、とクワトロは心の中で呟いた。

 そろそろ我慢も限界である。

(そちらがその気ならこちらにも考えがある)

  開けば自分の悪口しか出てこない口を塞いでしまおう。そう思い二人の肩に手を伸ばした瞬間、フッと彼

らの姿が消えた。

「何―――!」

 クワトロは思わず声を上げた。

 消えたと思った二人はベットに突っ伏している。

 ただ突っ伏しているのではない。

「アムロ?カミーユ?」

 張り詰めていた糸が突然切れたように、二人は意識を手放していた。

 気持ち良さげに眠りについている。

「お、おい」

 体を揺すってみるが起きる気配はない。

 今の今まで二人してクワトロに文句を言っていったくせに……

(何てことだ!)

 寝つきが良すぎる。

 クワトロはポカンと口を開いた。 

 

 

 

 結局、完全に寝入ってしまった二人にクワトロは肩を落とし、深いため息を零した。

「それにしても……

 狭いベットは二人に占拠されており、とてもクワトロが眠るスペースはない。

「とんだ日だな」

 時計を見れば時刻は丁度0時を回った所だった。

 日付が十八日に変わっている。

 と、その時―――クワトロは時計の横に置かれた小さな包み紙に気がついた。

 見覚えのない包みにクワトロは首を傾ける。

 シンプルなアイボリーの包みを解く。中にはシルバーのネームタブがついたペンダントが入っていた。

 そこにはクワトロの名前と誕生日がしっかりと刻印されている。

「これは……

 誕生日の日付にクワトロは顔を歪めた。

 十一月十七日。

 これはクワトロの誕生日ではない。

 クワトロ・バジーナとして登録されている誕生日は別の日だ。

 だが――――

「そうえいば、昨日は誕生日だったな」

 クワトロでもシャアでもない。

 とっくに捨てた名前を持つ彼が生まれた日。

 クワトロは苦笑いを浮かべた。

 毛布を掛けてやり二人の瞼にそっと唇を落す。

「これくらい良いだろう?カミーユ。修正はせんでくれよ」

 そう呟いて笑った。

 すっかりカミーユに修正されることに慣れている自分がいる。

 彼らとの時間。

 永遠に続くものではない。

 分かっているが、今はそれが何より幸せなのだとクワトロはフッと顔を緩めた。


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UPが遅くなってすみません。
やっと最後までUPできました。
シャアとカミーユに絡まれる(愛される)クワトロ萌え!



ACT.2
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