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僕の隣に君がいる
02.
甲高い雨音と激しい風の音が静まり返った部屋でやけに大きく聞こえた。
もっと小さな頃はそれが怖くて、怖くて……。
布団を頭から被って無理やり目を閉じたものだとナルトは思った。
こんな時、隣に誰かがいてくれたらと何度思っただろうか。
だけど誰もいない。
泣いても、叫んでも望んだ温もりは遠くて自分には手が届かない。
それが妙に切なくて、もっと悲しくなって良く泣いた。
今は随分慣れたけど……。
それでも人恋しくないと言えば嘘になる。
背中越しに伝わってくる温もりに心まで気持ちが安らぐ。こんな夜に一人でないことがこんなにも嬉しいとは思わなかった。
「おい」
不意に眠っていると思っていたサスケの声にナルトはビクリと跳ね上がった。
「寝ないのか?」
「ね、寝るってばよ!お、お前こそ寝ないのかよ」
妙に上擦った声になってしまって……顔が熱くなる。背中を向けていて良かったとナルトは心から思った。
「寝るさ」
サスケはそう言うと少し身じろぎした。
雨音と風の音に混じって心臓の音が煩いくらい響く気がする。
サスケも自分と同じなんだろうか?
ふとそう思い、ナルトはチラリと目線をサスケに向けた。
自分と同じように背を向けているサスケの顔は分からないけれど……。相手の温もりが気になって眠れないのか?
でも嫌なものじゃない。
ずっと遠いと思っていたものなのだから。
ナルトは深呼吸して鼓動を落ち着かせると瞳を閉じた。
明日はやらなくてはならないことが山済みなのだから、今は休むことだけを考えよう。
そうこう思っているうちに疲れていた体は睡魔に誘われていく。
サスケの寝息が聞こえてきたような気がして、ナルトは口元を綻ばせた。
朝になっても雨は上がらなかった。
風は幾分マシになったようだが、暗い空に気分まで沈んでくる。
だけど部屋をあのままにしはしておけない。
とりあえずなんか応急処置をしておかなくては思う。
それにしても……と窓の外を眺めながめてナルトは思った。
絶対にサスケよりも先に起きてやると思っていたのに……。
雨の中走った疲れが出たのか、睡眠時間が短かったせいか……サスケに揺すり起こされるまで思いっきり爆睡してしまった自分に腹が立つ。
そう思ってブスくれていたら目の前に皿が置かれる。
「え?」
単に焼いただけの食パンが2枚。それから並々と牛乳が注がれたカップが皿の横に並んでいる。
「え、え?」
目を白黒とさせているとサスケがムッと眉間に皴を寄せた。
「食わねぇなら良い」
そう言って皿を引こうとするサスケの手を慌てて握り締める。
「食う。食うってばよ。まさかお前が朝飯用意してくれるなんて思わなかったからさ。ちょっとびっくりしちまってよ」
「お前な…俺を何だと思っているんだ」
サスケはそういいながら自分も朝食を机に置いて椅子に腰かけた。
なんかこんな風に二人で顔を突き合わせて食事するのなんて初めてかもと思う。それはサスケの方も同じようでお互い妙にギグシャクした空気の中、黙々と口に食事を運んだ。
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